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木の色さまざま
COLUMN
2023.11.17

新潟県長岡市、自社大工の居る工務店 稲垣建築事務所の稲垣です。

 

本日は木の色の話。

真っ黒い木、赤い木、黄色い木、白い木。

木の本来の色は本当に様々で、

一般の方(もしかしたら建築業界でもあまり無垢材を扱わない方も)からしたら

木の色って↓こんなイメージなのでは?

木材の王様(だと勝手に思っている)チーク。とても高級材で船の甲板等にも使われます。

↓赤い木の代表(実物はもう少し赤いです)

花梨(かりん)

 

↓黒い木の代表ウェンジ(ちょっと汚れてますが)

この木も手に入りにくくなってきました。

 

木によって色は様々。

加えて(丸太の断面を思い浮かべてください)

芯に近い部分を赤味、樹皮に近い部分を白太と言います。

(↑ウェンジの写真の黒い部分を赤味(黒いケド)、両端の白い部分を白太と言います。)

 

木の色は一本の木の中でも芯側と樹皮側によって異なります。

例えばこんな風に。

この床はタガヤサンと言う木です(昔は床の間の脇に建つ床柱として使われていました)

赤味と白太が入り混じる無垢フローリング材です。

もちろん、赤味だけのフローリングもあるのですが、当然高価なモノとなります。

でも、色が入り混じっていたとしてもおかしくはないですよね?

むしろ色が揃っていた方が無垢っぽくないと言うか、ホンモノっぽくないと言うか。。。

張りあがり当初より、数年後の方が全体的に色差は気にならなくなります。(慣れもあります(笑))

 

タガヤサンと言えば、

今はもうすっかりなくなってしまったけれど、和室の床の間の脇に建つ床柱(とこばしら)の中でも

いわゆる「唐木(からき)」と呼ばれる木で

シタン・コクタン・タガヤサン の三つの樹種は別格扱いされていました。

韻を踏んだ感じの呼び方で

シタン=赤い木

コクタン=真っ黒な木

タガヤサン=コクタンよりやや薄目の黒  なのです。

 

シタンもコクタンもタガヤサンも床柱として倉庫にあるのですが

もう需要が無いので表面のてかてかウレタン塗装を削り取ってマットなカンジにしようかと思ってます。

表面がマットであれば現代の住宅にもストンとフィットするはずです。

 

ただ、何十年も前に製材されたそれらの床柱、塗装を剥いだ瞬間に曲がり出すなんて話も聞きます。

何十年前の床柱でもその芯近くはまだまだ乾いていないのだとか。

木は難しい。けど面白い。