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耐震等級を語る前に「最悪の想定」の検討を。
COLUMN
2024.01.19

新潟県長岡市、頭髪から黒髪がなくなって欲しいと思っている稲垣建築事務所、稲垣です。

ボクは、よく言えばシルバーグレイ、悪く言えば貧乏くさい色具合の頭髪ですが

生前の母方じーちゃんが一点の黒も無い真っ白な頭髪で、とってもカッコよく見えていたため

ボクも早くそうならないかと思っています。

写真は被災地の知り合いから続々と送られてくる写真の内の一枚。

珠洲市の旦那さんの実家で被災された仲間の言葉

「元日の夜は宇宙にあるすべての星が見えているんじゃないかと言う位、

見たことも無いほど星空が綺麗でした

 

東日本大震災直後に仙台で書き込まれた有名なTwitterの

『暗すぎて今まで見たことないくらい星が綺麗だよ。仙台のみんな、上を向くんだ』

と言う書き込みを思い出しました。

 

弊社の従業員の旦那さんが今現在被災地で災害復旧工事に行かれています。

切なすぎてみんな泣きながら作業している」そうです。

 

また、応急危険度判定に入った金沢市内の仲間は

「泣きそうになるけれど、被災者の皆さんが笑っているのに私が泣くわけにはいかない」と。

 

 

こんな話をした後ではちょっと軽くも感じてしまうのですが耐震等級の話のラストです。

耐震等級3を取る事なんてなんら難しい事では無いとご説明してきました。

繰り返しますが

『無雪時』耐震等級3。コレ、全然すごくないです。簡単に取得できます。

雪国で積雪を考慮しない耐震等級3は耐震等級の数字だけを独り歩きさせたい悪意すら感じます。

ボク等が住むココ長岡では積雪時の耐震性能で検討しないと意味が無いと思っています。

だって今年のように降らない年もありますが、2m程度の積雪は覚悟すべき地域ですから。

 

弊社がお手伝いする住まいは積雪2m時の耐震等級2が標準です。

へ?等級3じゃないの?とお思いになりますよね。理由は以下です。

 

以前、同じ家で色々検討したんです。

① 無雪時耐震等級3⇒超余裕(当たり前)

② 積雪1m+耐震等級2⇒超余裕

③ 積雪1m+耐震等級3⇒工夫と検討は必要だけど実現可能

④ 積雪2m+耐震等級2⇒工夫と検討は必要だけど実現可能

⑤ 積雪2m+耐震等級3⇒かなりキビシイ

 

最後の⑤、積雪2m時の耐震等級3はかなりのハードルです。

プラン的に制約が掛かりすぎ、かつ、壁が多くなりすぎて現実的でない事がわかりました。

残った選択肢としては③or④。

ただ、数軒のお宅を両方検討した結果、④ではギリギリNG結果が出ても③では逆に安全側の判定が出ました。

(その差は少ないのですが)

と、いう事は③より④【積雪2m時の耐震等級2】の方がほんの少しだけハードルが高い。

でも、越えられないハードルではない。のであれば選択は④【積雪2m時の耐震等級2】一択。

おわかりだと思いますが、この条件をクリアした住まいは無雪時で考えるなら耐震等級3は楽々クリアします。

 

積雪1m・耐震等級3より積雪2m・耐震等級2の方が安全側であって、かつ、現実可能ならばその選択しかありえませんでした。

因みに現在では、

長岡市より雪が降る長岡市以東の小千谷市等でお手伝いさせていただくお宅は【積雪2.5m時の耐震等級2】です。

どんなプランでも実現可能な訳ではありませんが、その条件をクリアするプランニングのコツみたいなものはわかりました。

 

平気な顔をしていますが、ボクは地震が怖くて怖くてたまりません。

中越地震。中越沖地震で延べ3000棟以上の被災住宅を『見てしまった』から。

見てしまったという表現、見ていなければ恐らく怖くないと思います。見ているからこそ怖いのです。

 

だから、ボク等の選択は常に、実現可能な範囲内で最悪の想定をし、それをクリアする事。です。