本日人間ドッグでした。
大まかな数値は毎年代わり映えしないのですが、毎年5ミリずつ身長が縮んでいる
新潟県長岡市、「木をデザインする。と言う発想」をコンセプトにする稲垣建築事務所、稲垣です。
いつもは眼鏡視力を計るのですが、運転以外は眼鏡が邪魔なので車の中に忘れ、
今年は裸眼視力を計りました。全く見えずに適当に答えましたが案外当たっていたようです。
以前のデータになりますが、国の出先の研究所で実験したデータが有ります。
内装に使う木材の使用率を30%、45%、90%とした部屋を用意して視覚的快適性を調べた結果のデータ。
内装ですので構成要素としては床、壁、天井となり四角い部屋なら6面あります。
それら6面の目から入ってくる「木質面積」がどの程度なら一番“落ち着ける”空間なのかを調べる実験です。
結果としては30%、45%、90%すべての部屋で快適であると判断されました。⇒脳波の測定結果らしいです。
30%(床のみ木材)、45%(床+腰壁程度、又は床+壁1面~2面、又は床+過半の天井が木材)は脈拍も有意に低下し、
非常にリラックス出来ている状態になります。
特に45%の部屋では副交感神経が働き、とても快適な状態を保てるそうです。
では、90%ではどうなったかといいますと、快適であると評価されたものの、
その部屋に入って間も無く(平均2分弱)、脳活動が急激に低下します。
これはその部屋に「飽きた」事を意味しています。このデータはサンプリングによって得られたデータの筈ですから、
当然個人差はあるものの面白い数字ですよね。
木をデザインする。と言い続けている私たちからすると
多分、なんでもかんでも50%前後の木質面積を出せば良いものでもなく
例えば、木の節が嫌いな方が節が多い木を使った部屋に放り込まれたのと
節のない木の部屋を体感した結果では少なからず違うのではないかと思っています。
個人的にはこの実験結果をそのまま鵜呑みには出来ず、
木を一定程度の面積で使えばいいという事では無くて、木の色・香り・木目・そして音。
この当たりの人間の五感を心地よく保てる木の使い方が最も落ち着ける空間だと確信しているわけです。
という事で、次回の木の底力は『音』のお話を。