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木の底力(音)
COLUMN
2024.11.13

新潟県長岡市「木をデザインする。と言う発想」をコンセプトにする

稲垣建築事務所、稲垣です。

 

木の持つ効能。前回まで見た目や香りについてご説明してきました。

今回は音。

劇場やコンサートホールに木を使うことが多い理由は

高音、中音、低音とすべての音を程よく吸収する性質を木が持っているためです。

木には目には見えない小さな孔が無数に開いていて、多孔質な事で不快な残響を吸収するからだと言われています。

人間に聞こえる範囲の周波数音の不快に感じる部分を吸収するだけでなく

超高周波音(人間には聞こえない高周波数音)をもコントロールしています。

この超高周波音、人間には聞こえている認識は無いけれど、耳にはちゃんと届いていて

この超高周波音を完全にシャットアウトすると人間は生理的に不快な感じを持つのだそうです。

超高周波音を耳にすれば(聞こえていると言う意識はなくとも)α波が発生し、精神的にリラックスできるそうです。

この超高周波音は、木々のざわめきや鳥の声、川や清流の水面のせせらぎ、自然界の音の中にも多く含まれていて、

コンクリートやプラスチックはその音を遮断してしまうけれど、

木は超高周波音を適度に通すため耳からもリラックスできると言うことです。

目、鼻、耳、それぞれから人間の快適性に働きかけてくる木。

五感に訴えてくれるのだから木の空間が優しいのは当たり前の話なんですよね。