「木をデザインする」という発想をコンセプトに
新潟県長岡市(小千谷市・見附市・三条市)で注文住宅・リフォームをお手伝いしている工務店
稲垣建築事務所の稲垣です。
町中を車で走行していると境界線ギリギリに建つカーポートを目にすることがあります。
新築時ではなく後からホームセンターで建てられたのかもしれません。
失礼ですがホームセンターさんが建築物の確認申請を提出しているとは思えないので
確認申請(確認済証)のないカーポートはその存在自体が違法です。
カーポートも『建築物」となるので、新築時にカーポートも建てるのであれば確認申請に
建築物①⇒一戸建ての住宅 建築物②⇒自動車車庫 と、同一敷地内に二つの建築物が建つことになります。
確認申請がなされていないカーポートは建築基準法違反です。
ただ、確認申請をなされているカーポートでも法律から逸脱している可能性があります。
違反するのは民法。
確認申請を出していて、確認済証ももらっているのに、もしかしたら民法違反ってどういう事?
とお思いになるでしょうけれど、確認申請で法律に合致している計画か否かを“確認”してもらう
法律の範囲に民法は含まれていないのです。
民法234条では建築物と隣地境界線との距離は50cm以上離すことが定められています。
カーポートでは無く住宅の場合、50cm離さなければいけないのは柱芯ではなく外壁仕上げ面まで。
カーポートではその屋根を支える柱の境界側の面までの距離。
ただし、
防火地域又は準防火地域内で、かつ、外壁が耐火構造と言う前提であれば
建築物は外壁(の仕上げ面)を隣地境界線に接して設けることができます。(建築基準法63条)
この規定は民法234条の規定よりも優先します。(建築基準法が民法に勝ちます)
住宅地内で防火地域でも準防火地域でもない地域であれば“原則”カーポートは50cm離さないと民法違反です。
“原則”と書きましたのはイレギュラーがあるからです。
首都圏のような土地が狭くて皆さんが50cm規定を守れない場合、
民法236条に「異なる慣習」と言う言葉が出て来て、その地域の習慣であれば民法違反は問いません。
ざっくり言うとそんなカンジの適用除外項目があります。
ただ、当地は長岡市。そんな異なる慣習が認められるとは思いません。
カーポートを建てられる際、
建築業社が知らずに隣地境界から50cm離さないのは考えられません。確信犯です。
ホームセンターであっても民法はご存知のはず。
メンドクサイ事になる前にご自宅のカーポートの隣地境界からの離隔距離のご確認を。