設計事務所の様な社名の工務店。稲垣建築事務所の稲垣です。
材料の話を少し。
今や超高級材になってしまったピーラー。ま、米松なんですけどね。
米松の等級は下から
コースト⇒セミカスケード⇒カスケード⇒オールドグロス⇒ピーラー となっているそうです。
最近までオールドグロス=ピーラーだと思っていました。
オールドグロスでさえも最低樹齢100年。ピーラーはそれを越えてくるので本来は高くて当たり前なのでしょう。
ウッドショック後、構造材としての米松の価格は随分落ち着きましたが
ピーラーの価格はずっと上がりっ放しです。
コロナ禍から休日にやる事が無くて、どうせならと思い立ち倉庫の整理をしています。(変に楽しくてハマってます)
弊社の倉庫はとても効率が悪くて、狭い地域内ではありますが点在しています。
倉庫の奥の奥まで見る事なんて今までなかったのでいい機会です。
親父(先代・まだ生きてます(笑))が在庫した、国産材料。
その中に輸入材であるピーラーが、、、しかも大量に、、、こんな所からも出てくるかと思うほど出てきます。
なんでこんなにピーラーばかり、、、?と、半ばキレつつ仕分けしていてふと思いました。
ボクが若かりし頃、ピーラーばかり使っていたんです。
ボクが設計するお宅には外部にせよ内部にせよ、必ずピーラーの柱が建っていました。
天井もピーラーの羽目板。窓枠等の造作材も当然ピーラー。
親父なりにセガレが建築の道に進み、一緒に仕事できている事が嬉しかったのかなぁ?
だからこんなにピーラーがあるのかも。そんな風に思いました。
ボクには「原点の家」とも呼べるお宅があって、
そのお宅の大きなポーチ屋根を支えるのはピーラーの丸柱。
日差しを避けるために大きく張り出したベランダの天井、つながるリビングの天井もピーラーでした。
そのお宅をお手伝いしていなければ今の自分は無い。絶対に無い。そう思えるくらい濃密で楽しい時間をいただきました。
ピーラー、やっぱりいい木です。とてもきれいな柾目(ピーラーは基本柾目)とオレンジ色。
ピーラーは基本柾目。柾目だからか高級と言う表現よりも“上質”と言う表現の方が合ってます。