2024.07.18
ベタ基礎最強!!!。。。???
最近、屋外で作業したり屋外現場打合せした後に頭皮をはじめ全身が痒くなる症状が現れ
特に湿疹が出るとか言うことも無く、肌はいつも通りスベスベ(笑)なのですが
あまりにも痒い為検索してみたら思い当たる症状の病名が
老人性皮膚掻痒症
なんだyoそれ!! 読めねーし、そもそも老人って失礼しちゃう!
と、パソコンの前でディスプレイに向かって文句垂れてる
新潟県長岡市、“木をデザインするという発想”をコンセプトにする
稲垣建築事務所、稲垣です。
画面に向かって文句垂れてる自分にハッといしています(笑)
さて、もう辞めてしまっていますがボクは20代後半から32年間、資格学校で
1級建築士2次試験(設計製図の試験)対策用の講師を務めさせていただきました。
いわゆるカリスマ講師ってヤツです(イヤ、本当にそう呼ばれていたんですって!)
今年ももうじき1次試験、そして2次試験の課題が発表される時期です。
多くの受験生が苦手としているモノに「計画の要点」と言うヤツが有ります。
1級建築士設計製図の試験には課題に対して図面で応えるほかに「計画の要点」と言う
問われたことに文章で応えるモノがあるんです。今は2級建築士試験でもあるのかも?
これ、自分自身も得意でしたし教えるのも超得意でした。
少しコツをつかめば相手(採点側)を納得させられる文章なんて簡単だと思っています。
資格学校にはこう問われたらこう返す。みたいなの定型文があるのですが
最早、採点側にそれを見抜かれていて、定型文なんかではとてもじゃないけれど戦えなくなっています。
定型文の一例として【基礎構造について配慮した事】みたいなざっくりした設問だったとします。
(設計課題は鉄筋コンクリート造が主の建物)
「不同沈下に対して信頼性のあるベタ基礎を採用した」
とかあるのですが、、、ちょっとね。。。
定型文で、みんな同じ内容を書くので採点側もほくそ笑みながら×にはしにくいのでしょうけど。
一言足りないんです。
で、こんな定型文がはびこるので、1級建築士でも2級建築士でも
本当にベタ基礎は地震に強い基礎だと勘違いする方も多くいらっしゃいます。
(ここで言うベタ基礎は低層一戸建て住宅の基礎に限定します)
別にベタ基礎だからって地震に強くなんかないですが、弱くも無いです。
では布基礎が地震に弱いのかと問われたら、それも間違い。
ベタ基礎採用のハウスメーカー、ビルダー、工務店、
「弊社はベタ基礎が標準なので地震に強いです!!!」と胸を張られますが
それ、間違ってはいないけれど正解でもありません。(どちらかと言うと間違いの方が強い)
ベタ基礎だから強いと言うのは最早イメージでしかないと思っています。
弊社ですか?弊社はベタ基礎です。
でもベタ基礎最強!など微塵も思っていません。
(基礎工事途中のご近所さんから凄い基礎だねとお褒め頂くと嬉しくはありますが)
弊社のベタ基礎歴は割と古くて、もう25年程前からベタ基礎、一体打設、全棟許容応力度計算
を始めていました。
当初は基礎屋さんに猛烈に嫌がられたんです。ベタ基礎の一体打設。
今でも一般的ではないのに当時としたらやり方も確立していなかったし、怖かったのだろうなと感じます。
でもですね、今となってはベタ基礎一体打設以外の基礎を嫌がります。
リフォーム等で布基礎の場合があると
基礎屋さん「え~、、、ベタ基礎一発打ちにしようよ~」と。
許容応力度計算で、狙った耐雪荷重、狙った耐震等級を得られれば
ベタ基礎でも布基礎でもどっちが強いなんてことは断じて無い。と言えます。
じゃあなんでベタ基礎を採用している?と問われたら
だってコストなんて大して違わないし、(布基礎でも今時は防湿コンクリートを打設するのが大前提)
長年お付き合いいただいている基礎屋さん、ベタ基礎の方がキレイ&早いので
ネガティブ要素が無いからベタ基礎を採用している。と言うのが本当のところです。
(一体打設に関しては凄くメリットもありますがココではおいておきます)
まあ、どっちでもいいんです。
ただし、繰り返しますが、構造計算(許容応力度計算以上)がされている事が前提です。
蛇足です。
元日の能登半島地震の被災地に居る講師仲間、元受講生、材木屋さんから多く聞くのは
基礎構造以前に、基礎の無い築80年以上の建物(造りのしっかりしている所謂古民家)は案外強かったと言う話を多く聞きます。
それは地元で起きた中越地震や中越沖地震でも同じことが言えます。
基礎が無い。。。正確に言うと柱脚(柱の根っこ)が基礎に緊結されておらず
石の上に乗っかているだけ。地方によって呼び名は違うらしいですが
構造としての呼び名は「石場建て」。究極の免震構造なんですよね。
かと言って今の時代にほったて柱の家を造りたい、造れるとは思えないですけれど。