2025.11.07
栃尾又温泉
すっかりご無沙汰してしまいました。
ご無沙汰していた間も
(公開終了までは)毎週土曜日のレイトショーで「東京MER~南海ミッション」を計13回観て
家では寝落ちするまでTV版を見続けておりました。最近の口癖は「ですね」。
重い物を持つときはイチ、ニっ、サンと掛け声を掛けてしまう
新潟県長岡市、自社大工の居る工務店、稲垣建築事務所の稲垣です。
ホント、喜多見先生になりたい(笑)
【相変らず撮影センスZEROですが】
少し前から進めている大規模リフォームの現場。
お風呂とトイレは2年前にリフォームさせていただき、今回は1階のそれ以外の部分の全て。
サッシも全て入れ替え。(トリプル硝子入り樹脂サッシ)
断熱リフォームも兼ねていますので外壁側断熱材入替。
加えて1階のみのリフォームで、熱的に2階と区画する為
1階の天井には高性能断熱材30㎜と石膏ボード(又はベニヤ)が一体となっているフェノバボードRに加えて
24㎏のグラスウールを追加しています。
リビングの天井はマコーレ羽目板。
その他にも桧羽目板、秋田杉柾目羽目板を張らせていただきます。
工事は終ってませんが明日から1週間現場を空けます。
と、申しますのも半年以上前から決まっていた工事を1週間で終わらせないといけません。
栃尾又温泉と言う温泉地の某温泉宿、浴場の脱衣場の床張り替え工事。
最初にその脱衣場の床下を拝見した時、すごい湿気とほんのり温かい地面に
果たしてどんな材料が適材で、どんな施工をすればいいのか自信が持てませんでしたが
様々な方から助言をいただき、その度に膝を打って納得し、
出来る限りコストを掛けずに、それでも地熱と湿気に耐え、耐えきれなくなったら
傷んだ所だけ張り替えられる。そんな方法にたどり着いた次第です。
助言と材料提案をしていただいた遠方の愛媛県共栄木材の方々には感謝しています。
その期間、宿泊のお客様の予約を見合わせていただいていたため工期厳守。
工期内に終わらせるため現場での作業を少しでも軽くしておくために脱衣棚を事前に造りました。
材料は杉の幅接ぎ板。
背板(裏板)はベニヤのつもりでしたが
由緒正しく歴史のある温泉宿のメイン浴室脱衣場にベニヤはねーだろ?と、思いとどまり
杉の無垢板を貼っています。
これを現場で取り付けるだけにしました。
杉なので見た目ほど重くは無いのですが
なにせ搬入経路には長ぁ~い階段が待ち受けています。
足腰がヤラレルことは覚悟の上です。(因みに職人は工事に集中すしてもらう為、事務方で搬入します)
実は昨日
先代(父)が他界しました。
亡くなる直前、「空気読んで工事が終わるまでがんばってくれ」と伝えましたが
親父らしく、やはり空気を読んでくれませんでした(笑)
先代が亡くなろうが決めた工期は絶対です。
昨今は便利な世の中になりまして
遺体用の冷蔵庫をお持ちの業者さんにお世話になる事になりました。
親父の亡骸を冷蔵庫に入れることに戸惑いや躊躇が無いわけはないです。
親父でも工事を優先させたはずですし、許してくれると思っています。
工期的にはドキドキするタイトなスケジュールですが
親父が遺してくれた頼りになる大工職人たちが居ますので彼らとともにやり切ってまいります。