新潟県長岡市、雪国育ちなのに超寒がりで、8月生まれなのに超暑がりな稲垣建築事務所、稲垣です。
最近(コロナ禍以降)は伺えていませんが、以前は他県にある広葉樹専門の木材競り市場に伺ったりしていました。
(とっても楽しんです)
相手はボクなどでは足元にも及ばない材木のプロ中のプロ。
けれど、あるんですよね、そんなプロが見ても何の木かわからないって木が。
板の小口(断面)に小さく「沢クルミ?」と書いてあったと記憶しています。
“?”が付いていたという事は完全には樹種同定(特定)できていなかったのだと推測します。
そもそも国産のクルミは「鬼クルミ」と「沢クルミ」の2樹種。
鬼クルミの実は食べられますが、沢クルミの実は食用にはなりません。
食用のクルミの多くは「テウチクルミ」と言うクルミの実を取るための別種の様です。
鬼クルミは一枚板、フローリング等、建築材として(貴重です)多少は流通しています。
沢クルミは建築に使われることは殆どなく、昔は高級な下駄の材料とされていたようです。
で、本題。
プロ中のプロが「沢クルミ」と言うんだから沢クルミだと思うじゃないですか。。。
でも、仕上げてみたらどうも違う気がして、写真を他県の木材師匠に送って帰ってきたLINEには
『はっきりわからないけど沢クルミじゃないような気がする。ユリノキじゃね?」
と。夏にお引き渡ししたお宅のテーブルも同じ木で造って「沢クルミ」とお伝えしていたのに。。。
(Y様すみません。ユリノキかもしれません)↓
ユリノキなんて見たことないし、名前すら知らなかったし、、、
ほどほど硬く、ほどほど柔らかく、表情はとても優しい木である事は間違いありません。
ユリノキ、、調べてみました。
モクレン科ユリノキ属 原産は北米大陸ですが、国内の公園等にもたくさん植樹されています。
別名チューリップウッド(ユリではなくチューリップの様な花を付けます)
ん???チューリップウッド?ってイエローポプラのことじゃん。
(昔はイエローポプラのフローリングも良く使いましたが、最近はイエローポプラ自体聞かないですね)
でもイエローポプラってもう少し緑掛かった色の様な。。。。
日本の杉を中国に植樹したモノを柳杉と呼びますが、材面は日本の杉と異なります。
恐らく土壌の違いなどで差が生まれるのだと思われます。
同じ様にイエローポプラも育った土壌で違いが発生するのかもしれません。
ちょっとよくわからなくなってきましたがひとまずユリノキで。
どちらにしても珍しい木であることは間違いないと思われます。
↓写真は年明け1月13日・14日に完成見学会を予定しているお宅に搬入したユリノキのダイニングテーブル。
優しい材面は若いご夫婦にとてもお似合いだと思います。
床はクルミ(無垢)
天井はパドック(無垢)
無垢のパドックを天井に張っているお宅なんて長岡市内、いや新潟県内にはこのお宅だけだと思います。(ソースはありません)