新潟県長岡市、お手伝いを頼まれていた案件の見積もり作業で約40年ぶりに徹夜をし、
現在は激しい頭痛と軽い吐き気でヒラヒラしている稲垣建築事務所、稲垣です。
石川県の被災地のニュースに切なくなったり、ほっこりしたり、、、
以前もご紹介しましたが1級建築士資格学校の講師をしていた時の最後は金沢校でした。
とっても思い入れがあるし、仲間も知り合いも沢山いるんです。
応急危険度判定作業の大ベテランに何故オファーを出さない?と、ボクは少々ご立腹です。
(声を掛けてくれればいつでも行くのに)
さて、元日を襲った地震。午後4時くらいでした。
新潟県長岡市の最大震度は独り歩きしている「6弱」でも6弱は中之島だけなんです。
千住や幸町、長岡市の真ん中は震度4。大きいとはいえ旧市内では大地震では無かったのです。
ボクは思うんです。
今年が暖冬でなく、大雪が降っていたら?
屋根の上に背丈ほどの雪が有ったら?
今回の地震ではほぼ無被害だった旧長岡市とは言え、確実に被害は増大します。
しかもかなりの確率で全壊家屋も出ていたと思います。
耐震等級と言う言葉をご存知でしょうか?
耐震等級1⇒建築基準法を守ってさえいれば耐震等級は1になります。所謂「新・新耐震耐震基準」ですね。
つまり国内に1未満の新築はあるはずがないのです(建築基準法違反ですから)
等級1はこんな風にご理解ください。
*数百年に一度程度の地震(震度6強・7程度)でも倒壊や崩壊しない
*数十年に一度発生する地震(震度5程度)は住宅が損傷しない
まあ、能登半島地震は数千年に一度の地震だったわけですが
数百年に一度の地震に対して倒壊や崩壊“は”しないこれは損傷を受けることは致し方ないよという意味なのです。
国は人命第一で考えますので、大地震でも逃げる時間が稼げると言う程度に考えていてください。
耐震等級2⇒耐震等級1、つまり建築基準法の1.25倍の地震に耐えられる強度が耐震等級2です。
弊社が全棟認定をいただいている長期優良住宅も耐震等級2以上がマスト。
災害時の避難所になる学校や公民館は等級2以上がマストです
耐震等級3⇒耐震等級1、つまり建築基準法の1.5倍の地震に耐えられる強度が耐震等級3です。
消防署や警察署等、災害時に活躍していただかなければならない建物はココがマストになります。
ではですね。耐震等級だけが高ければそれでいいのか?と、いう話になります。
耐震等級3なんて簡単なんです。ハードルが高いと思った事など一度もありません。
でもここは雪国。耐震等級と耐雪はリンクしていないので、
豪雪地なのに積雪ゼロで構造計算して耐震等級3を取りに行くのは超簡単です。
中越地震は10月。中越沖は7月。そして元日に起きた今回の地震は暖冬のお陰で難を逃れた。
ただ、それだけのことだと思っています。
地震国日本において耐震を考えない住まい造りはあり得ませんが
ボク達が住むここ長岡は豪雪地です。2mの積雪だって当たり前にあります。
だから、耐震を語る時は先ず、雪の事を考えましょうよ。
だって地震は来ない年もありますが、雪はほぼ毎年積もります。
雪が屋根に積もっている。
そのタイミングで大地震に襲われた。
所謂最悪の想定です。
耐震等級3を声高に謳うメーカーさんもありますが
コッチで仕事するなら、ちゃんと積雪の事を考えているんでしょうね?
と激しく思います。
次回はもう少し耐震等級、耐震性、掘り下げます。
この写真使ったら怒られるかな?
ほぼ無被害だった金沢市内において地盤が崩落したところです。
実はこの写真の中に金沢で最後を飾った講師人生の最後の担当等受講生の家が写っています。
多分ギリギリ大丈夫。
こんなになったら耐震等級もナニもあったモンじゃないですけどね。
地震の日ってなぜか震源付近はすごくいい天気なんですよねぇ。