2025.01.18
長岡平野西縁断層
「木をデザインする」という発想をコンセプトに
新潟県長岡市(小千谷市・見附市・三条市)で注文住宅・リフォームをお手伝いしている工務店
稲垣建築事務所の稲垣です。
昨年末、現場大工さん方が流行り病でバタバタと倒れ
年明けは事務方がバタバタと感染してなかなか通常業務に戻るのに時間が掛りました。
さて、昨日は1月17日。阪神淡路大震災から30年目の日。
そんな日に政府の地震調査委員会は
私たちの足元にある「長岡平野西縁断層」の評価を
「やや高い」のAランクから「高い」のSランクに評価を見直しました。
今後30年以内の地震発生確率が0.1パーセントから3パーセント未満の「Aランク」から
今後30年以内の地震発生確率が3パーセント以上を「Sランク」とカテゴリー分けされます。
このわずかな差をどう捉えるかは分かれるところですが
陸上の断層、しかも想定される地震規模はマグニチュード8.0で
陸上の断層を震源とした地震では最大級の大地震が起こる可能性が
わずかながらでも高まっている。という事です。
新潟県が発表している被害想定はにわかに信じられないものです。
死者/7920人
負傷者/5万6000人以上
全壊家屋/17万1000棟(約8棟に1棟が全壊)
半壊家屋/22万5000棟
この数字が発表されたのは2022年3月です。
長岡市民ですらこの断層の存在をご存知の方はどれほどいらっしゃるのでしょうか?
長岡平野西縁断層は新潟市の沖合から小千谷市に掛けて連なる80㌔以上の断層帯です。
長岡市内だけで言っても「逆谷断層」「鳥越断層」「関原断層」「親沢断層」そして小千谷片貝断層に連なる断層帯です。
活動周期は1200~3700年と言うかなりアバウトです。
ボク自身もこの断層の存在を知ったのは中越地震の時にお会いしたある大学の教授から教えてもらいました。
(実はその時、その方の個人的見解として伺った話は恐ろし過ぎて誰かに言えるレベルではありません)
実は中越地震後に国土交通省の活断層を調べる特殊車両が長岡入りしています。
てっきり震源を調べるのだと思っていたら
車列が向かって調べていたのは弊社の工場、倉庫がある長岡市鳥越でした。
マグニチュードが大きいから震度も大きいというコトにはならないのですが、
地震エネルギーそのものはマグニチュードが1違うと32倍。
2違うと32倍の32倍なのでエネルギーは約1000倍。
中越地震も中越沖地震も最大マグニチュードは6.8ですので
ボク達が経験したあの2度の地震と比較しても、その地震エネルギーは約38倍。
おっそろしい。
そんなおっそろしい断層のすぐ近くに長岡市民、新潟県民は暮らしています。
そして我が社の倉庫、工場はおっそろしい断層のすぐ脇にあります。
この被害想定、減らせるはずです。
こんな断層がすぐそばにある事を知らない方々に(脅すのではなく)その存在を知らしめるべきだと思っています。
建物の耐震化、直ぐに出来る家具の固定、備えることは出来るはずだと思っています。
(写真は石川県の元担当受講生が能登半島地震後に送ってくれたものです)